NPO法人日本独立作家同盟は11月5日、『月刊群雛』掲載作から編集長がセレクトした新レーベル「群雛文庫」を創刊します。以下、その詳細です。
■「群雛文庫」企画趣旨
自由参加型電子雑誌『月刊群雛』は、「巧拙問わず」「ジャンル不問」「早い者勝ち」の3点が特徴です。現在、通算21号を発行し、掲載作品は新作だけで通算200話を超えています(2015年9月末時点)。
この過去の『月刊群雛』掲載作品から編集長が「これは!」と思った作品を選び、電子文庫レーベルとして発行する企画が「群雛文庫」です。「編集長セレクト」「ジャンル明示」「手頃な価格」の3点が特徴となります。作家や作品の魅力をこれまでとは違った切り口で分かりやすく伝えることで、これまでの『月刊群雛』とは異なる層にアプローチすることが目的です。
この企画により『月刊群雛』は、登竜門的立ち位置として再定義されます。将来的には『月刊群雛』参加者募集時からジャンル別に編集担当者が付き、その後の選出・文庫化まで行うような体制にしていく構想をしています。
11月5日の創刊をお楽しみに!
■ 創刊時ラインアップ(予定)
波野發作『オルガニゼイション』
スラップスティック系SFコメディ小説シリーズ、ここに開幕!
ある日、大宇宙を旅する恒星間貿易船の船長キャプテン・ハックは、銀河系辺境にある田舎惑星の小さな交易都市ヴェニスンの情報商店から緊急の注文を受け、出航を遅らせた。どうやら留学中の王星テンピリア第三王子の身に何か起こったらしい。これは金の匂いがする(『月刊群雛』2015年02月号掲載『ヴェニスンの商店』)。
地球に留学中のテンピリア星第三王子アントがいつものようにバイト先の紅葉商店に出勤すると、店長の代わりに同僚のジェシカがいた。客はいつものように少なく、ありふれた日常のはずだったが、何かがおかしい。違和感の原因を探りはじめたアントは店内で宇宙中を転々としてきた謎の物体「ガッデンの箱」を発見する(『月刊群雛』2015年04月号掲載『ガッデンの箱娘』)。
以降、毎月続刊発売予定!
●イラスト:ソメイヨシノ(『月刊群雛』2014年02月号表紙イラスト担当)
ハル吉『デリヘルDJ五所川原の冒険』
こんなデリヘル見たこと無い! 抱腹絶倒小説シリーズがはじまる!
渋谷駅そばの雑居ビルにある謎の派遣業『アナ専門メチャ回し学園』、今日も出勤リストに「DJ五所川原」の名前が載っている。どんなプレイも対応可能。音楽を使って耳と心に健康をお届け、デリヘルDJゴッシーの冒険が今始まる(『月刊群雛』2014年09月号掲載 第1話)。
派遣業『アナ専門メチャまわし学園』の出張DJとして働き、ノイズ音楽オタクの家や建築現場でレコードを回してきた男、五所川原。そもそもなぜDJを目指したのか。ターンテーブルとレコードをキャリーに詰めて、今日も派遣先へと出かけて行く(『月刊群雛』2015年01月号掲載 第2話)。
以降、毎月続刊発売予定!
●イラスト:あへあへっど(『月刊群雛』2015年08月号表紙イラスト担当)
芦火屋与太郎『夢を継ぐ』
夢が生み出す悲劇とサスペンス小説!
「約束よ。私の夢を受け継いでちょうだい」
小学六年の時、おじいちゃんが死んだ。父は畑を手に入れ、農業をやると言い出した。私が中学へ進級するのと同時に、父の言いなりのまま、家族は田舎に引っ越す事に。
私には、アイドルになる夢があった。でも、父のせいで潰えてしまいそう。何度か抵抗するも、父の暴力の前に為す術がない。ママは助けてくれない。そんなある日、中国人留学生の劉が、畑の手伝いに来てくれた。私と劉は、少しずつ距離を縮めていく(『月刊群雛』2015年03月号掲載 前編・『月刊群雛』2015年05月号掲載 後編)。
●イラスト:神谷依緒(『月刊群雛』2015年06月号、『月刊群雛』2015年09月号表紙イラスト担当)
平乃ひら『パレード』/神楽坂らせん『マトリョシカ』
現実と虚構の境界は? SF短編小説集!
狩人になったばかりの男は俺に尋ねてきた。「あなたはいつ眠るんですか?」と。今そこにいる自分は、誰にも干渉を受けていない本当の自分といえるのか? この世界の秘密は?(『月刊群雛』2015年05月号掲載 平乃ひら『パレード』)
バーチャルスペースにログインした女子大生は、謎の老人と出会う。彼から聞かされた摩訶不思議な内容とは?(『月刊群雛』2014年06月号掲載 神楽坂らせん『マトリョシカ』)
●イラスト:Cot(『月刊群雛』2014年05月号、『別冊群雛』2015年02月発売号表紙イラスト担当)
竹島八百富『Xメン』『日本』
読後にモヤモヤする、なんともいえない後味の短編小説集!
寒風吹き荒れるサラリーマンの聖地新橋に全国各地から集まった五人のおじさん。彼らはネット上で知り合った自称『超能力者』ならぬ『超能力っぽい力がある人』だ。互いの悲哀を語り合い結束を固めていくおじさんたち。果たして、おじさんたちに未来はあるのか! いや、あるのか?(『月刊群雛』2015年04月号掲載『Xメン』)
紅葉が映える山間の風景を画用紙に描く葉山卓は、自分の技術が一向に上手にならないことに不安を感じるが、ナースの鈴木裕子からの励ましで描き続ける。しかし、結局はそれを活かすことなく、ある単調な作業場で働くことになる。そこで生活は保障されるのだが。(『月刊群雛』2015年01月号掲載『日本』)
●イラスト:しんいち(『月刊群雛』2014年07月号表紙イラスト担当)
■ 「群雛文庫」企画詳細
〈本の仕様〉
判型
・電子版 EPUBリフロー形式およびBCCKS独自形式
(※ Kindleストアなど10ストアへ配信)
・オンデマンド印刷版 文庫 W105×H148mm
(※BCCKSで注文後に製本発送)
販売価格
・電子版 200円(消費税別)
・オンデマンド印刷版 ページ数による
発売日
毎月5日
〈作品選出方法〉
- 対象は『月刊群雛』に新作として掲載された作品
(既刊サンプル・再録は対象外) - 作者自身によるセルフパブリッシング版がある場合でも、切り口が異なるため対象から除外はしない
- 選出基準は当面、編集長の独断と偏見とする
(ある日突然編集長から連絡がくる) - もちろん作者自身が希望しない場合は辞退できる
〈誌面構成〉
- 1冊あたり短編2作品(掌編なら最大4作品)または連載2話を収録する形を基本とする
- 電子書籍ユーザー向けにあまり時間をかけずに楽しめる程度のボリュームとする
- 単一作家の短編集、連載シリーズと、複数作家の短編集の3パターン
- 末尾にあとがきと解説を掲載予定
〈制作方法〉
- 『月刊群雛』同様、印税配分設定が可能なBCCKSで行う
- 電子版とオンデマンド印刷版を発行するが、メインは電子版とする
- 基本は『月刊群雛』に掲載された校正済み原稿の再録だが、加筆修正や未収録話の掲載もある
〈著作権など〉
- 『月刊群雛』同様すべての著作権は著者自身に帰属し、出版権は設定しないし独占契約も結ばない(つまりセルフパブリッシングや商業出版することに一切制限はない)
- もし収録作を他社から独占配信するなど、群雛文庫を配信停止したい場合は個別に相談する(ただし相乗効果が見込めるため、群雛バージョンとして配信したままにした方が良いのが前提)
11月5日の創刊をお楽しみに!
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