『月刊群雛』2016年05月号の表紙は、魅上満さんのイラストです。これはどんな作品なんでしょうか? 作品概要・サンプル・著者情報などをご覧ください。
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作品概要
こどもの日の男の子を描きました。
お気付きでしょうか? 前列真ん中の男の子以外、こどもの日なのに、はしゃいでいません(笑)。
せっかくならいろんなタイプの子を……と思い、こういう子はこどもの日ならどうするだろう……と考えていたところ、現代の子供なら、はしゃがない子の方が多いのではないか!? と気付きました。
後列向かって左の男の子も懐かしの新聞紙兜を被ったりしていますが、「今日はこどもの日! 俺の日だぜ~☆」とか書いてツイッターに上げる為に自撮りに夢中です。
こどもの日自体ではなくそれを楽しむ自分が好きなのです。現代っ子ですね。
作品情報&著者情報
魅上満(みかみ・みつる)
―― まず簡単に自己紹介をお願いします
ゲーム原画・ご当地キャラのキャラクターデザイン・イラストレーションなどをやっています。
326(ナカムラミツル)さんの展覧会『3×2=6 ~19年目の326展~』に、コラボレーション作品を出展しました。
◆代表作:
東京都港湾局様(マスコットキャラクターデザイン・パッケージイラスト)
いわき市様(マスコットキャラクターデザイン・パッケージイラスト)
テレビ東京様(芸能人似顔絵イラスト)
ニコニコ公式チャンネル様(芸能人似顔絵イラスト)
Ustream Asia株式会社様(番組内使用イラスト)
歯科系総合サイト デンタルン様(イラスト素材)
コスプレキングダム実行委員会様(販促グッズイラスト)
つくば兄弟プロジェクト様(キャラクターデザイン・イラスト)
sweetdoctor様(キャラクターイラスト)
年賀状ボックス様(イラスト素材)
スマートフォンアプリ「みんなのONLINE占い」様(マスコットキャラクター・ユーザーアバターデザイン)
ディーソリューション様(キャラクターデザイン・イラスト)
株式会社アイノス様(教科書表紙イラスト)
◆公式サイト:『イラストレーター 魅上満』
http://mikami326.wix.com/mikami326
◆Twitter:
https://twitter.com/mikami326
―― この作品を制作したきっかけを教えてください
今まで仕事で描かせて頂いた中で、男の子を描いたことが片手で足りるくらいしか無いことに気付きました。
5月と言えば子供の日です。男の子を描くまたとないチャンス! と思いました。
女の子とはまた違う部分が見えてくると思うので、童顔研究家の僕としてはこのチャンスを逃す訳にはいきませんでした。
―― この作品の制作にあたって影響を受けた作家や作品を教えてください
実は今回、有名な作家や作品に影響を受けていません。
服装や体型の参考に、子供服の通販サイトには大変お世話になりました(笑)。
―― この作品のターゲットはどんな人ですか
僕自身に子供は居ないので、子供が居る方に見て頂きたい気持ちがあります。
普段仕事で描いているような少女は現実とかけ離れているのが当たり前なのですが(いわゆる男の娘など、少女にしか見えない少年も含みます)、今回は現代の子供を表現できていたら良いなあと思い、子供たちがよく持っているあのゲームをしばらく使っていなかったのですが引っ張り出して無駄にしげしげと眺めたり、僕なりに「ああ、子供ってこうだよね」と思ってもらえるよう努力しましたが、リアルな子供を知っている皆様、如何でしょうか?
もちろん子供が居ない方のご意見も大変有り難いので、つまり感想を頂けると嬉しいなあということです。
いつも通りですね(笑)。
―― この作品の制作にはどれくらい時間がかかりましたか
線画完成まで3時間程度、彩色や仕上げに3日。
―― 作品を制作する上で困っていることは何ですか
最近は女の子の服もそういった傾向があるとはいえ、男の子の服というのは大人用のデザインをそのままサイズだけ小さくしたようなものが非常に多いです。
なのでイラスト映えする……とでも言いますか、僕のようにデフォルメが強い絵柄だと、普通の洋服だと地味に見えやすいのです。
実際に着ていたら少し派手くらいの服がイラストでは普段着になるので、日本の一般的な子供服ではなく、韓国やヨーロッパの子供服を探しました。5人居るので前列両脇の子たちは性格上地味な服を着ていますが、後列の2人は海外製の子供服という設定です。前列真ん中の子ももっと派手な予定だったのですが、新聞紙を英字のものにしたところごちゃっとしてしまったので、やんちゃな子ですが至って普通の服装です。
―― 注目している作家またはお気に入り作品を教えてください
浦沢直樹(うらさわ・なおき)さん、326(ナカムラミツル)さん、redjuiceさんは永遠の憧れです。
最近、作家の水野敬也(みずの・けいや)さんに注目しました。
『夢をかなえるゾウ』は人から頂いて読んだことがあり、面白かったとは思うのですがその後ずっと水野さんの作品に触れる機会がありませんでした。
最近海外の方に手紙を書く機会があり、『たった一通の手紙が、人生を変える』を読み、関連本として紹介されていた『それでも僕は夢を見る』など、鉄拳(てっけん)さんのイラストと一緒になった本を次々と読みました。作品の内容について一つ一つ書いていると文字数が足りなくなってしまうので、水野さんという作家について僕が感じたことのみ書きます。
水野さんの言葉や描かれるストーリーは、僕のようないわゆる「負け組」がものすごく共感できるものばかりです。
慶応義塾大学経済学部卒という経歴を知るまでは、本当に「負け組」から這い上がって作家になった方なのかと思っていました。
それくらい、読者に寄り添った、目線の低い、劣等感を覚えさせない文章なのです。
人生訓のようなエッセイや小説などは、作者が明らかに恵まれた方だというのが分かっていると、心のどこかで素直に受け入れられなくなるものです。
優秀な方はそうでない人の目線もちゃんと知っているんだと、月並みな言い方ですが凄い方だと思いました。
もし自分が本を出したら書いてみたかったエア後書き、夢を持つことは世間のイメージと反対に苦しみでしかない、など共感できすぎて惹きこまれました。
―― 今後の活動予定や目標を教えてください
僕がキャラクターデザインとパッケージイラストを担当させていただいた、「梨48」がフジテレビで紹介されました。
http://www.fujitv.co.jp/fukuteku/archives/20151114.html
僕は放送予定を知らず、またしても応援してくださる方に教えていただいて知ることになりました。せっかくなので放送は見たかったですが、こうして僕の作ったキャラクターがもう既に福島の皆さんや、「梨48」を購入した方のものになっているのだと思うと、イラストレーターとしてこんなに嬉しいことはありません。これからもこうしてイラストレーターとして、誰かのお役に立てるよう努力していきます!
―― 最後に、読者へ向けて一言お願いします
どんなことでも良いので、ご感想を頂ければ幸いです。
とくに顔立ちをいかに幼く描けるかについては毎日が勉強であり研究の日々です。
「ここもっとこうしたら良いんじゃない?」なんて意見を頂いた日には泣いて喜びます。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。
魅上満さんの作品が掲載されている『月刊群雛』2016年05月号は、下記のリンク先からお求め下さい。誌面は縦書きです。
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