ニューヨークで文芸エージェントとして活動する大原ケイが、日本の作家が世界デビューするためのステップをエンタメ産業の視点から解き明かす。2015年7月11日開催の日本独立作家同盟セミナー『日本の作家よ、世界に羽ばたけ!』の講演録です!
日本の作家よ、世界に羽ばたけ!
文芸で世界デビューのチャンスをつかめ! 中村文則等の実例を示しつつ、ジャンルやテーマの狙い方を解説。契約、印税、副次権などの金銭面、制作工程、流通、PRなどの導入面の他、エージェントの役割、ウケるジャンル、ストーリー、キャラクター構成を、中村文則、東田直樹、吉本ばなな等の実例を交えながら解説。第2部では、映画「かぞくのくに」のヤン・ヨンヒ監督、フリー編集者・西野由季子、出版プラットフォーム開発者・鎌田純子とともに、デジタルの生かし方、心のパンツの脱ぎ方、人付き合いの大切さを語り合う。
目次
第一部 日本の作家よ、世界に羽ばたけ!
まずは自己紹介
世界のトップのエンタメ産業
映画といえば…
舞台といえば…
エンタメビジネス界の労働組合「ユニオン」
音楽といえば…
世界の書籍マーケット
今世紀の世界的ベストセラー
ベストセラー作家の稼ぎっぷり
日本の出版社と違うところ
アメリカで本が出せたら?
例外としてのHaruki Murakami
その他の日本人著者のケーススタディ
Gatekeeper
米インディー作家は…
売れているインディー作家の特徴
インディー作家のシンデレラ
どんな本なら売れるのか?
どういう本がダメなのか?
DIYインディー本づくりのヒント
そしてこれからは…
アマチュアの世界を楽しみながらプロの世界を目指そう!
第二部 コンテンツがクールでも世界は甘くない!
売り込み先のマーケットの状況を知ろう
国際映画祭は海外マーケットへの第一歩
作家はみんな自転車操業?
ギャラを前借りして作る
出版社は何のプロ?
Kindleで5000万円を稼いだ作家のTips
出版社はインディー作家を狙っている
作品作りのモチベーションを保とう
日本独立作家同盟は作家のユニオンになれる
恥ずかしがらずに自分を売り込もう
見せるために作品を作ろう
売り込むために恥じらいを捨てよう
本当のチヤホヤが欲しい人こそ独立に向いている
しなやかな独立でありたい
独立は孤立にあらず 個性を大事にしよう
意見を言い合って作品を良くしよう
Q&A
講演者プロフィール
NPO法人日本独立作家同盟について
《 著者情報 》
大原ケイ(おおはら・けい)
日米で育ち、バイリンガルとして日本とアメリカで本に親しんできたバックグランドから、講談社のアメリカ法人やランダムハウスと講談社の提携事業に関わり、2008年に版権業務を代行するエージェントとして独立。主に日本の著作を欧米の編集者の元に持ち込む仕事をしていたところ、グーグルのブックスキャンプロジェクトやアマゾンのキンドル発売をきっかけに、アメリカの出版業界事情を日本に向けてレポートするようになった。著作に『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(2010年、アスキー新書)、それをアップデートしたEブックなどがある。ブログ(oharakay.com)やツイッター(@Lingualina)で好き勝手発信してたのを「マガジン航」に拾われ、多少更生し、今に至る。
ヤン・ヨンヒ
1964年11月11日大阪府大阪市生まれ。ニューヨークのニュースクール大学大学院修士号取得。6年間ニューヨークに滞在後、初の長編ドキュメンタリー映画「ディア・ピョンヤン」を発表しベルリン国際映画祭ほかで受賞。2012年初の劇映画「かぞくのくに」を発表、ブルーリボン賞作品賞、讀賣文学賞ほか映画賞、文学賞多数受賞。
鎌田純子(かまた・じゅんこ)
1957年生まれ。北海道大学薬学部卒。1981年パイオニアLDC入社、レーザーディスクの市場導入に参加、映画作品のレーザーディスク化、マルチメディア作品の企画・制作に従事。1992年株式会社ボイジャーの設立に参加。CD-ROMやWEBのプロデュース、電子出版関連ツールの制作、販売を担当。株式会社ボイジャー、取締役企画室長等を経て、2013年10月、代表取締役就任。
西野由季子(にしの・ゆきこ)
編集者。西野事務所株式会社代表取締役。1993年法政大学文学部卒業後、出版社勤務、フリーランス編集者/ライターとして雑誌、書籍、ムックに携わる。2012年より電子書籍の企画・編集・制作を始め、近年は商業誌や同人誌で活躍する漫画家の作品を翻訳、フランス語圏に電子書籍としてプロデュースしている。NPO法人日本独立作家同盟理事。
Facebook: https://www.facebook.com/yuki.nissy
Twitter: @NishinoYukiko
http://nishino-office.co.jp/
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