マガジン航の「ロンドン・ブックフェア2013」で紹介されていた「独立作家同盟(Alliance of Independent Authors)」は、 既存の出版社に頼らず作家同士が助け合いながら本を世に出していく同盟です。
ではそもそも「本」とはどういったものなのでしょう?
Wikipedia日本語版によると、「本」とは書物の一種で、書籍・雑誌などの印刷・製本された出版物とのことです。
ユネスコ総会で採択された国際的基準(PDF)によると、図書とは、国内で出版され、かつ、公衆の利用に供される少なくとも 49 ページ(表紙を除く。)以上の印刷された不定期刊行物とのことです。「本」と「図書」は同義のようなので、ここでは問題としません。
また、5ページ以上48ページ以下の場合は、「小冊子(パンフレット)」と呼ぶそうです。コミケなどで頒布される同人誌は「薄い本」となどと呼ばれることもありますが、ユネスコの定義では大半が小冊子ということになるでしょう。
いずれにしても「印刷された」という条件が定義に入ってきてしまうため、まだ「電子出版物」は「本」とは別モノとしてみなされているようです。また、文字の大きさや画面の大きさによって可変する「リフロー型」の電子出版物の場合、ページ数の定義をそのまま当てはめるのは難しそうです。
他方、「電子書籍」という言葉もあります。これは、仲俣暁生氏がWIREDに寄稿した『さようなら、「電子書籍」』によると、一般名詞ではなく、特定の色合いをもつ一種の「官製用語」であるとのことです。
徐々に一般名詞化しつつあるとは思うのですが、どうしても「電子書籍」という言葉には「紙の本を電子化したモノ」というイメージがつきまといます。そこで、ここではあえて「電子出版物」という言葉を使っています。
情報を伝える「媒体」は、何であろうと構いません。ただ、やはり一定の「量」がないと「本」として世間一般的に認められるのは難しそうです。固定レイアウトの漫画や写真・イラスト集などの場合は、ページ数による定義がそのまま適用できるでしょう。問題はリフロー型の場合です。
一般的な本が、改行も何もなしで1ページみっしり文字で埋まっているということはあまりないので、1ページ平均500文字くらいとします。それが48ページだと、2万4000文字。もちろん図画が入る場合はそのぶん少なくなるとは思いますが、目安としてはこんな感じではないでしょうか。
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